メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY2016 その7《ショーのやっつけ感想・前編》

2017年08月01日 | NEWYORK

日本版ビリーエリオットの記事を書いたので、2017年のNY観劇記が一旦ストップ。
そのついでにお蔵入りになっていた2016年のNY観劇記を書いちゃうね。


SHUFFLE ALONG
Or The Making of the Musical Sensation of 1921 and All That Followed

2016年4月29日金曜日20:00 THE MUSIC BOX劇場

Broadwayを代表するスター、Audra McDonaldさん、Brian Stokes Mitchellさん、Billy Porterさんが集結した舞台。
長いタイトルの通り、1921年に黒人が中心となって上演されたアメリカ史上初のショー「SHUFFLE ALONG」の経緯とその舞台の再現がされたいわゆるバックステージものである。

役者目当てでチケットを買ったものの、ほとんど話についていけなかった…。事前に予習できる資料が無かったもので。

それでもAudra様のパフォーマンスは素晴らしく、歌、タップなど余す才能をこれかとばかりに披露されていた。
こころなしか体の線が『Porgy and Bess』のときよりふくよかになったな~、でも4年も経ってるしなんて思ってたところ、この観劇から数日たった頃にご懐妊だったと知ってびっくり!!
この時Audra様は45歳だったからね。二人目のお子さんとはいえ、妊婦があんな激しいタップを踏んでいいものかと心配してしまった。
でもその後無事に可愛くて元気な女の子をご出産されたとニュースで見て一安心。やっぱりBroadwayの女王はスケールが違うなぁと感心したのであった。

内容がよく分からなかったというのは先述のとおりなんだけど、Billy Porterさんが舞台上で黒塗りをするシーンは印象に残った。
「僕の父が…」というセリフと共にだったので過去を振り返っての黒塗りだったと思う。
黒塗りなんて黒人にとっては屈辱そのものだろうに、粛々と作業を進める様子は見ていてじーんときた。

そうそう、Brandon Victor Dixonさんも出演されていた。
この方が『Hamilton』に出演した時にトランプ政権のエラい人が観に来てて、終演後に語り掛けをした様子は日本でもニュースになったよね。

お次はこちら。


HAMILTON
2016年4月30日土曜日14:00 RICHARD RODGERS劇場

10ドル札の肖像画のモデルである、アメリカ建国の父アレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いたミュージカル。
彼と同じくカリブにルーツを持つLin-Manuel Mirandaが作詞・作曲・主演を一手に引き受ける。

2015年秋、翌年GWにNYに行くことをクワストさんにお話ししたらHAMILTONのチケットを取ることを勧められた。
前作の『In The Heights』も観ていないのでそれほど興味は無かったけど、歴史ものということで観てみようかと思った。
チケットが手数料込み190ドルもしてぎゃふんという感じだったけど、今振り返ると破格のお値段だったな。

その後チケットは完売し、リセールのチケットのみ出回るようになった。
メガヒヨの座席の後ろの席も1500ドル以上の値がついていた。


そして当日。
夜の部より10ドル安い昼の部にしたため、主役のハミルトンと準主役のアーロン・バー、息子のフィリップが代役だった…。


当日の視界はこんな感じ。前が通路なので何も遮らないかなりいい席。
舞台に緞帳はなく、シンプルな木製の装置で物語が進行していく。衣装替えもそれほど無いので利益率すごく高そう(笑)

もともとLin-Manuel Mirandaさんに思い入れは無かったのだけど、CDで予習するうちにその癖のある声にとても愛着が湧いてきた。
しかもどっかで聞いた声なんだよね。
考えるうちにベテラン声優の中尾隆聖さんの声にそっくりだと気付いた。
ばいきんまんやフリーザ様ではなく、にこにこぷんのぽろり限定で。
ノドの奥で響くその声はとても親しみやすい。

そんなんでLinさんの独立戦争をぜひ見てみたかったのだけど、残念ながら彼は見られず。
アルタネイトのJavier Munozさんは前作でもLinさんの役を引き継ぐなど外見はよく似ているのだけど、声はいたって普通の格好いい声だった。

代役ラッシュながらも、CDで気になっていた俳優さんは観られたので良かった。
一幕では戦友ラファイエット、二幕では政敵トマス・ジェファーソンを演じるDaveed Diggsさん。
この方は3秒間に19語発することが出来るという、少年漫画のラスボスの様な俳優さん。

早口といえば、アンジェリカ役のRenee Elise Goldsberryさんも負けてはいない。
『Satisfied』なんてメガヒヨは3回生まれ変わっても歌えなさそう

主人公の妻であるイライザを演じるのはPhillipa Sooさん。
CDでは透き通りながらも凛とした歌声に、ある程度のキャリアのある女優さんなのかなと思っていたらとても若かった。(90年代生まれ)
ジュリアード音楽院の演劇科を卒業した直後『戦争と平和』に主演したときに、Linさんにスカウトされたとのこと。
そりゃあ引き抜きしたくなるだろうなと納得するほど魅力のある女優さんだった。

あ、メガヒヨはこの作品の予習のためにどエラく厚い本を上・中・下と三冊も読んだ。
ザ・フェデラリスト・ペーパーズの章なんて、ひいひい言いながら読んだ。
だけどこのミュージカルはフェデラリストについてはアーロン・バーの二言、三言で終わってしまう。無駄な努力、涙目。

物語の展開はとても早く、登場人物全員が全力疾走しながら一人の偉人の人生を顧みるミュージカル。
相変わらずチケット価格は高いし入手も難しい。
でもいつかは見やすくなる日も必ず来るはず。
メガヒヨも是非二回目、三回目を観たいと思っている。

(5作品の感想を詰め込もうと思ったけど長くなっちゃったので、残りは後編にまわすね。)



3 コメント

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Hamiltonはアメリカ人として教養を試される。 (NICK姉)
2018-05-16 19:14:56
私もOpenしたてのころ大枚$250はたいて観たけど
基本、ラップ 好きじゃないから劇中に入れなかった。
Linの作品はいつでもオリジナルに富んでいて尊敬するけど
こればっかりは好き嫌いあるよねえ❗

でもアメリカ人観客は熱狂していたから素晴らしい作品であることは確か。
皆さん理知的で尚且つ先進的な人々とみた。

Hamiltonのことを良く知っている教養を試されるよね、心底楽しむ為には。
つけ焼き刃でなんとか (メガヒヨ)
2018-05-22 19:27:38
チケットの高騰を見るにつけ、確かに良い作品ではありますが、それだけの価値を見出すのは人によりけりですね。

ワシントンをはじめ、歴史の重要人物がみな有色人種というのは開幕当初インパクトありましたよね。
何やかやいって、革新的なショーでありました。

ちなみに私はこの作品が話題になるまで、ハミルトンのことは一切知らなかったです。
アメリカ人ではないから仕方ないですよね(笑)
Unknown (手稲鉱山通)
2022-06-27 00:50:45
にこにこぷんとドレミファどーなっつは今はもう終わってしまったけど、にこにこぷんは晩年はアンパンマンに押しつぶされてしまったけど、ドレミノテレビ(UAさん、山口ともさんと木南晴夏さんらの出ていた音楽番組)は現在はBS-TBSで放送されています。(ただしドレミノコドモはNHK時代とは大きく変わっています)

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